写真家 平林克己と人類学者 勝野宏史(同志社大学社会学部准教授)とのプロジェクト。
端末の画面が世界の窓口となった現代、メディアは我々を取り巻く環境の一部となり、データなくしては社会基盤を支えることすら出来なくなりつつあります。
人同士の関係、人と社会、または人と機械との関係が、かつてないほど簡便になる一方で、その間に存在していた「物理的な関わり」は減少してはいないでしょうか。
直接会わず、現地に行かず、そして触れることもなく、私たちは友人や世界の動向を「情報」として知るようになっている。
AIを始めとし、高度なデジタル技術が我々の現実の形成に常に介入することで、他者を、そして世界を深く理解する上での人間の感覚が宙づりになってはいないでしょうか。
人類学者勝野宏史と写真家平林克己が協働するこの「熱」Passionプロジェクトでは、“自らの感覚”をインターフェースとして用い、世界を知り創造する人々を取材しました。
このプロジェクトが、高度化するデジタル技術とAIの時代を生きる人間のありようとその未来を見つめ直す場になればと願っています。
2022年12月月
トヨタ産業技術記念館にて講演と写真展